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category: 夢への一歩
February 7, 2012

開発前の心境。箱根を思い出す...

学生の時、自転車で九州まで行った時のこと。

途中、横浜?掛川間を1日で走りぬいた時は、今までの人生の中でも最も体力を使い果たしたときだったと思う。

その間には箱根の峠越えがあった。

箱根の坂は勾配のきついところが多く、必死にこいでは休み、またもうひと踏ん張りこいでは休み、重い荷物を背負いながら本当に進んでるのか?と思うぐらい進まず、また、いつ終わるんだ?と思うぐらい長く、ハァ、もう嫌だ。でも先に進むために登るんだ、、、よし、もうひとこぎ...

そんな思いで登りきり、辛い思いをしても仲間と乗り越えられた経験は一生の中でも一際いい思い出として残っている。

自転車で旅をしていると山は何度となく立ちはだかる。

体力がつき、楽しい気分で登れるときもあるけれど、旅の途中の山はできればなければ有難い。

一番精神的にしんどいのは、山を登る前の状態。

あぁ、これを登らなきゃいけないのか。。

心折れそうになる心境だ。

ふと、登らないで済む方法はないかな、などと頭をよぎることもあるが、そんな方法はない。
はぁ、腹決めないとな、とちょっと沈んだ気持ちで心の準備をしていると、

「よし、いくか!」

こっちの心構えができてないうちに先に言われてしまい、仲間の一声に押されるように走り出すしかなく、走り出せば自然と腹は決まるもので、足元を見たり頂上を見たりで必死に登りだす。

ちなみにこの掛け声は、特定の誰かというわけでもなく、仲間がいるとうまい具合に良いタイミングで誰かが言い出す。

そしてみんな走り出す。


会社の場合は、大体その掛け声は社長の役割だ。
しかも、大分見栄と平静を装って。。

でも本当はみんなでしりを叩き合いながら登りたい。


今日、大規模な開発をするかしないかでもたもた心が決まらずにいた。

クリエイティブさと未知の技術を必要とする開発は相当頭を消耗する。
また、できなかったときの心の折れ具合も結構辛いものがある。
それが不毛な努力だったときも。

正直今も不安と恐怖がぬぐえぬままの状態だ。
しかし、先に進まなければいつまでもここにいることになる。

不安と恐怖はその場に留まっていても、いつになっても拭い去れないのは知っている。
箱根の山のふもとにいるときと同じ心境だ。


今日、とりあえず走り出した。
大規模な開発のほんの一端をつくり始めた。

明日もまた一端をつくり進める。

そうやって、あとは気合と根性と根気で登りきることだけを考えて頑張る。

そう、頑張る。

・・・


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