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category: 学んだこと
November 2, 2009

行き詰ってないで人に聴く

ベンチャー企業は常に新しいことへの挑戦が続き、独自の発想を持って挑戦をし続けようとする思いが強い分、挑戦地獄とも言える路線に舵が切られていく...
そんな性があるのではないかと思います。

なんでうまくいかなかったのか、どうしたらもっとうまくいくのか、
それを必死に考え、何百通りのアイデアやひらめきから一喜一憂し、堂々巡りを繰り返しながら、ある時点で、「これでいこう!」 と決めて再度挑戦する。

こんな繰り返しだから、ヒットする確率も低く、リスクも高いのも頷けます。


リスクを低くし、確率を高める方法。

そのひとつに、人に聴く、ということが非常に大切な要因なのではないだろうかと思います。

仮にヒット事業とできる、ある市場があるとします。
大体はそこを捉えようとピンポイントで狙い撃ちするように企画を立て検証しようとします。

しかし、実はここに命中させる必要はなく、もっと大切なのは近くにリーチできていれば大方成功で、その後に、どう擦り寄りながら市場を捉えていくかの方が大切で、分かれ目なのではないかと感じます。

命中させることに意識を置きすぎると命中しなかったときに、もう一度やり直し的な考えでアイデア出しから始まります。
そうではなく、そのあとに「擦り寄る」意識とテクニックがポイントだと思います。
もちろん、的外れなところから始まると擦り寄るのも大変な作業になりますから、そこは判断が必要です。

そして、この擦り寄るテクニック、それは人に聴くことだ思います。
この事業のどこに魅力を感じてくれるのか、どこが分かりづらいのか、どこが不安なのか、...
よーく聴いていると相手が答えを教えてくれています。
自分の方向性がぶれていなければ、それを持ちかえり、修正を加えていけば以前よりもはるかに近づきます。
この繰り返しでブラッシュアップされます。

この「聴く」という中で大切なことは

1.相手の考えを素直に聞くこと
2.聴いてもらう相手を選ぶこと

1.に関しては、どうしても自分の考えた企画は間違っていないと思いたいばかりに自分のサービスに関する確認をしようとすることに意識を働かせてしまい、せっかく相手が教えてくれているのに全く生かすことができなくなってしまいます。
それどころか、いいところだけを頭に入れるので自分の自信が増幅され、修復不能になっていきます。

2.は、お客さんになっていただけそうな人、または、パートナーとしてともに活動してくれそうな人など外部の人に聴くのが一番だと思います。
社内でも良い意見はたくさん出ますが、それは狙い撃ちする前の仮説段階でとどめておいた方がよいかもしれません。
なぜなら、社内の人は社長やプロジェクトリーダーと同様、内部の影響を受けやすく主観的になりがちです。無意識に自分の業務と比較していたりするので、お客様の立場に立った判断がしにくいということもあります。

気をつけなければならないのは、評論家的なコンサルタントや、一般論を押し付けてくる経営者です。
あくまでベンチャー企業にはということですが、コンサルタントにも2通りあると思っており、自分の知識を試してもらおうとする評論家的なコンサルタントと、親身になり助言してくれるコンサルタントがいると思っています。
後者は大いに活用すべきだと思います。(私も何人かそういう尊敬するコンサルタントの方がいます)

なぜかというと、ベンチャー企業はすがる基準をしっかり持てていないことが多く、精神的に弱いからです。
正しいと思わせてくれる方に流されがちで、信じ通して行動し続けることができればいいのですが、実は根っこが違います。
いつか、自分の信念で動こうとする力が働き、矛盾を引き起こします。

それを繰り返すと、やっぱり自分の考えで全て決めよう、となってしまいます。
お客様になりうる人の意見も聞かず、良い助言をくれる方の話もきけず、しかし何かにすがりたい気持ちは常に持ち続け、克服するために自分だけでアイデアをひねり出そうとする。
そして狙い撃ちする。

この繰り返しです。

だから、この「聴く」ということが非常に大事なんではないかと思います。

起業した方なら、うん、うん、と頷けるところも多いのではないでしょうか?


ちなみに私は、これにどっぷりハマっていました。。。
本当に悔しいです。今でもそうならないよう注意しながら行動するようにしています。


もし、行き詰っているようでしたら、ぜひ外に出てみてください。
自分で気づく必要はあると思いますが、そんな悪循環を続けて悔んでいた起業家がいたということを知ってもらえたら幸いです。



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