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category: 学んだこと
April 7, 2006

代行のおじさん

夜中3時まで仲間と酒を飲み、店を出て歩いたとたん、「代行ですか!、代行ですか!」と質問というより決め付けるように激しく迫ってくるおじさんがいた。
あまりにも強引に引き込もうとするので不愉快さを感じたが、押されるまま、「じゃぁ代行。」と返事をしてしまい、すばやい誘導で軽自動車に押し込まれてしまった。

途中で私の車に乗り換え、2人きりのドライブが始まった。
おじさんはとにかくしゃべる。
聞いてないこともとにかくしゃべる。しかし聞きたいことだったりする。
きっと、代行を使う人はほとんど聞きたいことが同じなのだろう。
「今日は○○まで行ってきたんすよ。」
「一番遠いところで○○で、5万円もらえたんすよ。」
「やっぱり遠くの方が楽っすね。」
聞く前に全部しゃべる。
でかい声で早口で楽しそうにしゃべる。

「私は自営でやってるんすよ。」
「代行には一週間だけアルバイトしてやめました。」
「だってこれなら俺にもできるって思ったんすよ。」
「代行やってる人は儲からない儲からないって言うんですけど、なんで自分でやらないんだろうって思うんすよね。」
「軽自動車一台あればできるんすよ。」
「不思議でならないんすよ。」
「値段だって一番安いのは1km200円て聞いたから、200円にしたんすよ。」

そうしゃべっているとおじさんの携帯が鳴り、運転中など構わず、「あ、どうも!あと20分ぐらいかな、はい、はいどうも!じゃあ伺います!」と言って勢いよく電話を切ると、
「携帯に電話番号とお客さんの名前がでるんすよ。」
「だからどこにいるかだいたい分かったりするんすよ。」

なんだか初めは胡散臭かったこのおじさんだが、なんだか愛着を感じるようになっていた。
ほとんど「うん、うん」とうなずいているだけだったが、こんなに直感的に難しいことを考えずに本質をとらえてただ今の仕事のことだけに没頭してるおじさんの話を聞いていると惹かれるものがあり、何かを感じた。

・・・この人天才だ。

ほとんど間違っていない。営業力、顧客管理、価格設定、対応力、、、
本人は至ってシンプルで単純に考えているだけだが、なかなかまねできることではない。
特に、「代行ですか!、代行ですか!」の営業力と、直感を信じてそれを実行するセンスは素晴らしいものがあった。

代行のおじさん恐るべし。


代行のおじさんポータルサイトでも作ろうかな。



comment(3)

 運転代行は登録業者でないともぐりで摘発されます。なぜ、知っているかというと、昭和の終わり頃に長野県で運転代行業者に中古車の販売をしていたからです。そのころ、警察に協力させる、メーターをつけるなどの条件付で、全国運転代行社協会が運営し始めました。それまでは、白タク行為で逮捕されていました。私の知人の方も何人か逮捕暦ありです。

やはり、営業の素質がその人にはあるんでしょうね?いろいろと考えながら失敗しながら、今のトークになったんでしょうね?
 相手に怪しまれないよう自然のトークが、できるひとがすごいですその人は天才かもしれませんね?、詐欺士は決して怪しくありません。怪しかったらだまされる人は、いなくなります。(笑)

なるほど。登録業者かどうかも聞いておけばよかったな。
それを聞いておけば、そのおじさんの本質が少し見えていたかもしれません。

今度もう一度使ってみようかな。

これもおじさんの戦略?

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